カールがなくなる。聞いた瞬間なにかセンチメンタルな気分になりました。
とあるメーカーのお菓子がなくなることについて、どうでもいいというタイプなんですが、カールだけは違いましたね。
もくじ
なぜ、明治製菓カールの消滅がそんなに話題になるのか?
カールが生まれたのは、1968年(昭和43年)7月25日。私が6歳、小学校1年生のころ。ミニスカートが大流行、テレビでは、かっこいいウルトラセブンが大人気。セブンに憧れながらも、主人公ダンが変身するときなぜ、一瞬、不細工な豚鼻になるのか?そんなどうでもいい思い出にほくそ笑みながら書いています。
大人気のお菓子といえば、その当時は、やっぱ「かっぱえびせん」でした。「やめられない止まらない」という歴史に残るキャッチコピーで世の中を制覇している感ありありでした。
おかきでもない、和菓子でもない洋菓子でもない。甘くもないのにおいしいお菓子とのはじめての出会い。
食べ始めるとおいしさにとまらなくなる、言葉どおりの体験にびっくりした覚えがあります。
子どもながらに甘くない塩味系のお菓子なのに、惹かれたのは初めてでした。
袋入りのお菓子といえば、カルビーの「かっぱえびせん」しかない。思い浮かばない時代だったのですが、そんな横綱をはじめて打ち負かしたのが、明治のスナック菓子「カール」です。
最初、チーズ味が発売されたとき、緑のパッケージの袋に、黄色のカールがぎっしりつまった強烈な存在感。この色合いも今までにない色彩で、原色の持つパワーに思わず惹きつけられ手に取り「買って、買って」と母親にねだったのを覚えています。
お菓子でとうもろこし風味でチーズ味?斬新な味わいと、今までにない食感。
カールという名前どおり巻いたカブトムシの幼虫のような形。
見るのも、さわるのも、食べるのも、初体験でしたが、とうもろこしもチーズも大好物だったので、いっぺんに気に入りました。
まさに、時代を変えたスナック菓子が登場した瞬間ですね。
そうです。今回のカールロス。生誕約50年の歴史の重みもありますが、かっぱえびせんにはない、洋風のスナック菓子が、初めて誕生したことを体験した者にとって、一時代を担ったスターが引退するようなさびしさがあったのです。
なぜカールは無くなってしまうのか?
ズバリ売上低迷。。現実を直視してみましょう。1990年代に、190億円あった売上が、2015年には半分以下の60億円までの落ち込み。
現在のスナック菓子は味付けも、食感もバラエティーにとんで、お菓子メーカー各社の競争が激化。
今はポテトスナック菓子の方が全盛で、昔と違って何千種類もあるお菓子のなかから選ばれる存在ではなくなっていたというのが事実。
とあるショッピングセンターでお菓子販売部門を担当している妻からも、直接聞きましたが、やはりあまり売れていないとのことでした。
なぜカールは売れたのか?
「それにつけてもおやつはカール」のキャッチコピーで一時代を築いたカール。
忘れられないのは、カールおじさんをアニメキャラクターとしてCMに起用した販売戦略にありました。
今でも、こののほほ〜んとしたメロディは脳裏に焼き付いています。タイトルは「いいもんだな故郷は」歌は当時の有名歌手の三橋美智也さん。おじさんながら女性からも好まれるかわいいキャラクターの登場も意表を付く試みで、大ヒット。歌、キャラクター、テレビCMの三種の神器の威力、正に見せつけられました。
関西では関東圏と違い、うすあじが人気だった
カールは最初、洋風スナック菓子として登場し「チキンスープ味」「チーズ味」でデビューしながらも
関西圏での受けはイマイチ。そんな状況を打開するため
販路拡大策として投入されたのが1971年発売の「うす味」。
これが、やはり関西圏側に住む人間である私には、どストライクにはまる味でした。
「うす味」味がうすい?それじゃ不味いやろ笑と。「食べる前はなんでこんなの出した?」という思いしかなく。。
だまされたと思って友人と食べたら、まさかの衝撃のうまさ。
「ええーっうめえ!」と期待値の低さから逆に非常に驚いた覚えがあります。
「うす味」とは関西出汁の薄口しょうゆの味わいから発想した鰹だしベースにこんぶの風味をきかせた味。当時、和風のうまみを前面にだしたお菓子は初めてで、お菓子味のイノベーションと言っても過言ではないです。
カールはいつ買えなくなるの?
今年の9月から四国にある松山工場だけの生産となるため、関東圏からは消えます。「チーズあじ」「うすあじ」2種類のみ関西圏だけの発売になります。
正確に言うと、発売地域の県境は、京都、滋賀、三重の3県までです。こちら3県から東の県から流通しなくなります。
Amazonでは、売り切れ、メルカリで便乗商法がはじまっています。
近所のスーパーにいきましたが、福岡では売り切れもせず、普通に売ってます。
久しぶりに懐かしく食べたカールの日でした。